manaby の料金は、まず結論から
- manaby の利用料は、決まった月額ではありません。前年の世帯収入に応じて自治体が決め、月の上限は0円・9,300円・37,200円のどれかです。
- 0円で使っている人は、料金ページと解説ページでは「約8割」、よくある質問では「9割以上」です。どちらも、いつ数えたかは書かれていません。
- 利用料は通所1回ごとにかかり、費用の1割を払います。上限より多くはかからず、通う回数が少ない月は上限より少なくなります。
- 「manaby WORKS」「manaby CREATORS」は、就労移行支援の manaby とは別のサービスです。
manaby の利用料はどう決まる?0円・9,300円・37,200円の分かれ目
manaby の料金ページによると、利用料は前年(1月〜12月)の世帯収入に応じて、住んでいる自治体が決めます。
負担額は「利用単価 × 利用した回数」で計算し、かかった費用の1割を払います。1か月の負担には上限があり、それ以上はかかりません。利用単価は事業所で違い、料金ページに額は書かれていません。
料金ページは、当てはまる場合を年収の目安で書いています。区分の表は、厚生労働省の「障害者の利用者負担」を参考に作ったと注記があります。
0円になる場合と、負担が出る場合(manaby の料金ページの書き方)
料金ページは、次のどれか1つに当てはまる人を0円、別のどれか1つに当てはまる人を負担ありと分けています。ここでの年収は、結婚していれば本人と配偶者、していなければ本人の収入です。
| 当てはまる場合 | 月の上限 |
|---|---|
| 生活保護を受けている | 0円 |
| 結婚しておらず、前年1年間働いていない | 0円 |
| 結婚しておらず、前年働いた期間があり、年収100万円以下 | 0円 |
| 今年の途中で退職したが、前年はフルタイムで働いていた | 9,300円か37,200円 |
| 前年1年間働いていないが、配偶者の年収が約100万円以上 | 9,300円か37,200円 |
| 前年の年収が約100万円以上 | 9,300円か37,200円 |
負担が出る人の上限は、本文に「年収約600万円以下は上限9,300円、年収約600万円以上は1ヶ月上限37,200円」とあります。同じページの注記には、別の年収の目安も書かれています(下の「公式ページで値が違うところ」)。
上限で払った場合の計算(1か月・1年・2年)
料金ページには2人の例があります。Eさんは結婚しておらず、前年は正社員で年収350万円でした。月の上限は9,300円です。
Fさんは結婚していて、本人は前年に収入がなく、配偶者の年収が800万円です。月の上限は37,200円です。
上限で払い続けた場合を、このサイトが掛け算しました。利用期間は法律で2年と定められているので、24か月まで並べます。
| 月の上限 | 12か月 | 24か月 |
|---|---|---|
| 9,300円 | 111,600円 | 223,200円 |
| 37,200円 | 446,400円 | 892,800円 |
これは毎月、上限まで払った場合です。通う回数が少ない月は、上限より少なくなります。
誰の収入で決まる?親と同居の場合と、上限の見直しの申請
manaby の料金ページでは、世帯収入は、結婚していれば本人と配偶者の収入、していなければ本人の収入です。18歳以上の場合は一般に本人と配偶者の収入で判定し、親の収入は「含まれないケースが多い」と書いています。
上限を決めるのは、住んでいる自治体です。上限が変わりそうなとき、何が起きうるかを書いた本人の記録があります。
manaby 船橋事業所に2025年5月から通い始めた本人(個人ブログ・note)
6月中旬、「自己負担の上限額が下がる可能性がある」と聞き、(現在上限37,200円)市役所に確認の電話を入れました。 すると「6月末に確定するが、9,300円に下がる可能性がある」との返事。 嬉しかった。もし本当に下がるなら、より安定して通える!と希望が膨らみました。
ですが―― 7月1日、市役所に改めて確認すると、 「申請がされていないので、金額は変わりません」とのこと。
10時から15時まで、毎日通っていた人の記録です。本人は、事業所の職員には一切の非はないと書いています。料金ページも、まず住んでいる自治体の障害福祉の窓口に相談するよう勧めています。
探したところ: 見落とされたのは書類ではなく、私でした。(note)(台帳: V0637)
利用料のほかにかかるお金(交通費・診断書・昼食・パソコン)
manaby の料金ページでは、通う交通費は基本的に自己負担です。通所費の助成制度があるのは一部の自治体です。有無や条件は、住んでいる市区町村の障害福祉の窓口で確かめるよう書いています。manaby が自分で交通費を補助するかは、このページに書かれていません。
利用には「障害福祉サービス受給者証」が要ります。福祉サービスを使うときに要る書類で、自治体の窓口で申請します。その申請に使う書類にも、お金がかかることがあります。
| 項目 | 公式に書いてあること | 見学・相談で聞くこと |
|---|---|---|
| 交通費 | 基本的に自己負担。一部の自治体に通所費の助成制度がある。 | 住んでいる自治体に助成があるか。manaby 独自の補助はあるか |
| 受給者証の申請に使う診断書 | 医師の診断書(意見書)の作成には費用がかかる。額は書かれていない。 | 手帳が無いとき、診断書で申請できる自治体か |
| 昼食 | 料金ページ・よくある質問・利用の流れのページに記載なし。 | 昼食をどうするか。費用はかかるか |
| パソコン・在宅訓練の機材 | 自宅でパソコンを使って学習できると書く。機材の費用は書かれていない。 | 自宅のパソコンを使うのか。貸し出しはあるか |
| 教材 | 独自のeラーニングで学ぶと書く。教材費の記載なし。 | 教材費がかかるか |
| 体験利用 | eラーニングの視聴や講座への参加を体験する。費用の記載なし。 | 体験に費用がかかるか |
通っている間の収入:工賃は出ない・給付を受けながら通える
manaby のよくある質問では、通所期間中の工賃(給料)の支払いは、原則としてありません。
生活保護・失業手当・傷病手当を受けている人も利用できます。ただし、受給の要件と自治体の判断がかかわるので、事前の確認が要ると書いています。
利用中のアルバイトは、manaby のページで書き方が違います。利用期間のページは「禁止」と書きます。よくある質問は、原則できず、自治体が認めた場合に限り例外としています。対象者のページは、一部の自治体では利用できる場合があると書きます。扱いは、住んでいる自治体に確かめます。
料金ページは、通っている間に使える制度として、次の4つを挙げています。
| 制度 | 何が軽くなる・受け取れるか | 窓口 |
|---|---|---|
| 自立支援医療(精神通院医療) | 精神科・心療内科の通院や薬代の自己負担が原則1割になる。収入に応じて上限額も決まる。 | 市区町村の窓口 |
| 失業保険(求職者給付) | 雇用保険に入っていた人が、仕事を失ったときに受け取れるお金。 | ハローワーク |
| 障害年金 | 病気やケガで働くことや日常生活に大きな支障があるとき、毎月受け取れる国の制度。 | 料金ページに記載なし |
| 障害者手帳 | 医療費の助成、公共交通機関の割引、就労支援サービスの利用などの制度を使いやすくする公的な証明書。 | 市区町村 |
本人の記録:失業給付を受けながら通った人と、利用中の収入の決まり
失業給付を受けながら約11か月訓練し、就職した本人(manaby 公式サイトの利用者インタビュー・2023年5月取材。引用は聞き手の地の文)
もうひとつは失業給付が切れるのを再確認したとき。思っていたよりも早く切れることがわかり、具体的な締め切りが見えたことで「いよいよ、ちゃんとしなきゃ」と思えたそう。
支援員との面談で生活面の課題を見つめ、自己と向き合う日々。
前の勤め先を退職したあとに通い始め、最初の1か月は週1日しか通えなかった人です。行動を変えたきっかけの2つめが、この給付の期限でした。給付を受けながら使うときは、受給の要件を先に確かめるよう manaby も書いています。
探したところ: “知ってるつもり”で見えなかった自分の姿-休職・退職から再就職までの道(就労移行支援manaby)(台帳: V0050)
自宅から週4日、オンラインで manaby の訓練を受けている本人(個人ブログ・note・2024年2月)
支援を受けている間は、実は収入を得てはいけないそうです。 就労訓練を中心にして就職を目指す のが基本になります。 「学生の本分は勉強」ということに似たようなことなのでしょうね。 私は実家住みなので難なく利用できていますが、生活費のために働こうと思い就労移行支援を受けるのにこの決まりはちょっと「う~ん」って思いますね。
投稿の約1年前に契約し、Excel や Word の訓練から始めた人です。契約のときには、事業所は仕事のあっせんをしない、という説明も受けたと書いています。工賃が原則として出ないことは、manaby のよくある質問にもあります。
探したところ: 三日坊主の一人暮らしまで #6(note)(台帳: V0692)
就職したあとにお金はかかる?6か月の定着支援とその先
就職したあとも、職場に慣れて働き続けられるよう支える支援があります。manaby は、就職後6か月間、定期的なフォローアップを行い、企業と連携すると書いています。解説ページでも、職場定着支援は「最大6か月間」です。このフォローの費用は、どちらのページにも書かれていません。
その先は、別の障害福祉サービス「就労定着支援」です。本人の相談を受け、勤め先や医療機関との連絡調整をします。就職後7か月目から3年6か月目まで、最長3年使えます。支給の決定は1年ごとに更新します。
| 時期 | 支援 | 費用の記載 |
|---|---|---|
| 就職後6か月まで | manaby の定期的なフォローアップと、企業との連携 | manaby のページに記載なし |
| 就職後7か月目〜3年6か月目(最長3年・1年ごとに更新) | 別の障害福祉サービス「就労定着支援」 | プレスリリースに記載なし |
manaby は2024年7月26日の発表で、就労定着支援を本格的に始めるとしました。その時点で提供していたのは、仙台駅前と長町駅前の2事業所です。2026年度中に、直営の就労移行支援事業所13拠点すべてでの提供を目指すとしています。
manaby の公式ページで値が違うところ(0円の割合・年収の目安)
0円の人の割合と、負担が出る人の年収の目安は、manaby の公式ページの中で値が割れています。どちらが新しいかは、どのページにも書かれていません。
| 項目 | ページ | 書いてある値 |
|---|---|---|
| 0円の人の割合 | 料金ページ | 約8割 |
| 0円の人の割合 | 解説ページ「就労移行支援とは」 | 約8割 |
| 0円の人の割合 | よくある質問 | 9割以上 |
| 年収の目安 | 料金ページの本文 | 年収約600万円以下は上限9,300円 |
| 年収の目安 | 同じページの表の注記(注2) | 収入が概ね670万円以下の世帯が対象 |
目安の数字だけで自分の上限を決めず、自治体の窓口で確かめます。料金ページも、利用料は自治体で違うことがあるので、まず自治体の障害福祉の窓口に相談するよう書いています。
manaby の名前が付いた別サービス(manaby WORKS・CREATORS)との違い
「manaby」の名前のサービスは、就労移行支援のほかにもあります。株式会社manaby のサイトに、別のサービスのページが並んでいます。
| サービス | 何のサービスか | 料金の書き方 |
|---|---|---|
| 就労移行支援 manaby(このページ) | 一般企業への就職に向けて準備を進める障害福祉サービス | 前年の世帯収入で月の上限が決まる |
| manaby WORKS | オンラインでITスキルを学びながら、働き方の相談ができるサービス。就労移行支援の manaby から生まれた | このページに料金の記載なし |
| manaby CREATORS | 就労継続支援B型の事業所。作品を見本に制作を受託し、工賃に反映する | このページに利用料の記載なし |
就労継続支援B型は、生産活動の機会を提供し、訓練や支援を行う別の障害福祉サービスです。このページで扱う利用料は、就労移行支援の manaby のものです。
見学・手帳・利用期間など、料金のよくある質問
見学や体験にお金はかかりますか?
manaby のよくある質問では、見学や相談だけでもでき、オンラインの相談もできます。体験の費用は、料金ページ・よくある質問・利用の流れのページに書かれていません。本人の記録には、相談で費用や受給者証のことを聞こうとしていた人(2022年4月の日記)と、体験利用を3回終えてから利用を決めた人がいます。
料金はいつから払い始めますか?
manaby のトップページでは、自治体から受給者証が出たあとに利用契約を結び、正式に利用が始まります。利用料は通所1回ごとにかかります。よくある質問では、初回相談から利用開始までは、一般に1〜2か月ほどかかることが多いとしています。
障害者手帳が無くても使えますか?そのとき費用は?
manaby の対象者のページでは、手帳が無くても、医師の診断や定期的な通院があれば、自治体の判断で使えることがあります。受給者証の申請には、手帳・自立支援医療・医師の診断書(意見書)のどれか1つが要ります。診断書の作成には費用がかかるので、医療機関に先に確かめるよう書いています。
何か月分の利用料を払うことになりますか?
利用料は通った回数の分かかり、利用期間は法律で2年と定められています。2年の期間内なら、自治体の判断で再利用が認められる場合があります。就職の見込みがあるときなどは、自治体の判断で期間の延長が認められることもあります。
manaby の費用に不満の口コミはありますか?
このサイトが集めた manaby の口コミは、公式でないもの24件と、manaby が載せたもの75件です。費用・補助の話題に分けたのは2件で、上限の見直しの申請がされていなかった記録と、相談で費用を聞こうとしていた記録です。どちらも利用料の額への不満ではありません。合わなかった・不満を書いた6件は、教材と訓練の形(4件)、就職の実績の答え(1件)、主治医への相談(1件)の話です。
まとめ:料金は世帯の区分で決まる・ほかのお金は見学で聞く
manaby の利用料は、前年の世帯収入で月の上限が0円・9,300円・37,200円のどれかに決まり、その範囲で通った回数の分を払います。上限を決めるのは住んでいる自治体なので、区分は自治体の窓口で確かめます。
交通費は基本的に自己負担で、昼食・パソコン・教材・体験の費用は公式のページで分からない所が残ります。このページの「利用料のほかにかかるお金」の表の右の列が、見学や相談のときに聞く項目です。